Yahoo!BB

Yahoo! BBによる個人情報の漏洩事件が起きたのは2004年2月のことでした。
Yahoo! BBといえば国内のプロバイダの中でも最大規模の企業であったことから、漏洩事件が発覚したときにはかなり大きな衝撃が社会全体に走りました。
当時はブロードバンドによるインターネット接続そのものに対して不信感をとなえる人もいたほどで、ネットを使用するということと情報漏えいが起こることとがつながったときの恐ろしさを痛感させられた事例であったと言えます。

事件はYahoo! BBを利用しているユーザーのうち242件が漏洩しているということがわかったことから始まります。
発覚当初は限定的な漏洩のように伝えられていましたが、時間がたつにつれて漏洩件数は470万件とも450万人分とも伝えられるようになり、事件全容がはっきりとわからないまま進行していったこともまた問題の根深さを示すものになりました。
早めに収束をはかりたいYahoo! BBは、情報が漏洩したと思われる個人ユーザーに対し、金券を500円分配布するという謝罪を行いましたが、それでは不十分とする一部ユーザーが訴訟をおこすということもありました。

なぜYahoo! BBで情報漏えいが起こったかというと、他の事例と違い最初から犯人は脅迫目的で情報を盗んだとされています。
事件が明らかになるうち、最初はYahoo! BBでの漏洩だけであったところ、その他にも全く別のルートからも行われていた脅迫事件も関連しているということがわかってきました。
被疑者として浮上したのはソフトバンクの代理店で役員をしていた人物で、Yahoo! BBおよびケータイキャリア大手ソフトバンクの代表である孫正義氏に対して脅迫状を作成していたことが発覚しました。
脅迫状はマイクロソフトのofficeを使用して作成がされていましたが、文書データ内には「メタデータ」と呼ばれる作成をした端末や時間などを記録する内容が残されており、それが捜査の決め手になりました。

結局事件はこの脅迫状の送り主が発覚したことにより、一気に終結することになりました。
大掛かりな漏洩事件のわりにはあっけない幕切れとなりましたが、ネット企業における情報漏えいが起きた場合の影響の大きさはかなり伝わったと言えます。
この事件を期に、ネットプロバイダなどで行うアクセスログの記録をより長い期間残すようにすることや、派遣社員など外部から重要な情報にアクセスする場合のIDやパスワードの取り扱いなどを厳重にチェックするようにするといった対策がとられるようになりました。
情報漏えいが起こる最も大きな原因は人的要素であるということがわかったということだけでもこの事件の社会的意義は大きかったと言うことができるでしょう。