ファイル共有ソフト

情報漏洩が起こる原因として、一時期には社会問題まで発展したのがP2Pと呼ばれるファイル交換ソフトです。
P2Pとは正式には「peer to peer」という言葉を略したもので、インターネットのように大きなサーバーに端末がアクセスをしていくのではなく、対等な一般の端末同士が網目のようにつながってアクセスできるようにするためのソフトのことをいいます。
P2Pソフトが爆発的に普及した背景には、それまではサーバーにファイルをアップロードしてそれをそれぞれがダウンロードするという方式であったところを、そうした手間を省いてどこか遠方で同じようにネットワーク上にいる端末から保存されているファイルを直接取り出すことができたためです。
それまでも一般端末同士でファイルを交換できるソフトはありましたが、Winnyというフリーウェアが登場したことにより、端末同士の挨拶や交換条件の交渉などなくパソコンの前に誰か操作をする人がいなくても勝手に欲しいファイルを探してダウンロードしていくということができるようになってしまいました。
あちこちでダウンロードされているファイルの多くは著作権上問題のある動画や画像などであり、サーバーにアップロードされていれば発見次第削除させればよかったところ、端末同士でつながっているのでどこがもともとのアップロード主なのかがわからずに犯人を特定できないということもまた大きな問題となっていました。

そんな違法なWinnyなどのP2Pソフトでしたから、悪用しようという人が登場しても当然の流れだったと言えます。
ファイル交換ソフトに悪質なウイルスを流すことで、知らずに勝手にダウンロードをした端末が次々と感染をしてゆき、しまいには行政機関や警察機関、医療機関など特別な秘密を扱う団体にまで被害が及ぶようになりました。
感染をした端末に保存されていた個人情報など機密情報は無防備なままどんどん多くの人の手元にコピーされてゆき、かなり大きな被害を生み出すことになります。
P2Pソフトで漏洩した情報の中には、原発に関する情報や自衛隊の情報、さらにはオンラインショッピングを行う企業サイトに登録されていたクレジットカードの番号などといった深刻なものも多く含まれていました。

しかしそれほど重大な被害となるP2Pソフトも、重大事件が起こってからもなお同じような漏洩が起こり続けました。
それだけソフトとしての魅力が高かったということにもなりますが、中には自宅のパソコンではなく企業から支給されている業務用のパソコンにまで勝手にソフトをインストールし、それが社内のネットワークを通じてウイルス感染していくという、非常に責任感を疑われるようなこともしばしば起こっていたようです。
現在はP2Pソフトの存在そのものが違法なものであるという判決も出されており、情報の漏洩は一旦落ち着きましたが、表に出ないだけで依然としてソフトを使い続けている人もたくさんいます。
情報漏洩を防ぐ手段はただ一つ、P2Pソフトは使わないということに尽きるでしょう。